「地域住民の日常を支え、非日常に備える」
新しい技術を、患者さんと地域へ。
地域医療を、通信とデバイスから支える
光輝病院では、このたび、AI/クラウドネイティブ型電子カルテ・レセコンシステム「Henry(ヘンリー)」を導入し、本格運用を開始しました。Windows端末やChromebookに加え、医師用端末の一部にMacを採用し、さらに衛星通信サービス「Starlink(スターリンク)」を電子カルテへの接続に活用しています。
私たちが目指しているのは、新しい機器を導入すること自体ではありません。地理的条件から安定した通信経路の確保が重要な地域においても、必要な医療を継続し、職員が患者さんと向き合う時間を守るための基盤をつくることです。
Henryはクラウドネイティブ型の電子カルテです。当院ではWindows端末やChromebookに加え、Macでも利用できる環境を整えました。職種や業務内容、使用する場面に応じて適した端末を使い分けることで、記録や情報確認をより円滑にすることを目指しています。
ここでいう「端末を選べる環境」は、私物端末を自由に持ち込む仕組みではありません。院内の安全管理基準に基づき、病院が管理する端末とアカウントを用いて運用しています。
医療現場のDX推進において、クラウドネイティブ型電子カルテの運用端末としてMacを採用し、現場スタッフから高く評価されている実務上のメリットをご紹介します。
ノートPCを開いた瞬間に画面が点灯し、待ち時間ゼロで直ちにカルテ操作へ移行できます。また、バッテリー駆動時間が極めて長いため、外来診察から病棟回診、カンファレンスまで、充電アダプタを持ち歩くことなく院内を身軽に移動できる点が大きな魅力です。
「電子カルテ」「画像ビューア(PACS)」「参照資料」などを別々の仮想画面に展開し、トラックパッドを左右にスワイプするだけで瞬時に行き来が可能です。限られた画面サイズであっても、診察中のマルチタスクを極めてスムーズにこなせます。
個人情報保護の観点から離席時のこまめな画面ロックは必須ですが、Touch ID(指紋認証)により指を置くだけで一瞬で作業に復帰できます。パスワード入力の手間を省くことで、強固なセキュリティを担保しながら診療と思考のリズムを崩しません。
ブラウザベースのシステムを長時間連続で稼働させても動作が重くなりにくく、予期せぬフリーズや再起動に見舞われるストレスがほとんどありません。OSアップデートに伴うトラブルも少なく、IT保守管理の負担軽減にも直結しています。
ベッドサイドや処置中にiPhoneやiPadで撮影した患部の画像、あるいは現場でのメモを、AirDropを利用して瞬時に手元のMacへ転送し、そのままカルテに取り込むことができます。デバイスの垣根を越えた連携が、日々の記録業務を強力にサポートします。「数秒の起動待機」「画面の切り替え」「パスワード入力」といった一つひとつの動作はわずかな手間に見えますが、1日に数百回と繰り返す医療現場においては、これらの小さなストレスの解消がスタッフの圧倒的な疲労軽減と業務効率の向上をもたらしています。
光輝病院は、瀬戸内海を望む山の中腹に位置しています。都市部と比べ、利用できる通信インフラの選択肢が限られやすい地域です。一方で、海側に視界が開け、上空の見通しを確保しやすい立地は、衛星通信の受信環境を整えるうえで生かすことができます。
そこで当院はStarlinkのアンテナを設置し、衛星回線を介してクラウドネイティブ型電子カルテHenryに接続する運用を開始しました。地域の地理的条件を弱みのままにせず、立地を生かした通信手段を取り入れることで、電子カルテを支える通信の選択肢を広げています。
KOUKI HOSPITAL / MEDICAL DX
光輝病院では、Henry、Mac、Starlinkなどの新しい技術を、導入すること自体を目的とはしていません。地域や現場に合った技術を選び、職員が働きやすい環境を整える。その結果生まれる時間やゆとりを、患者さんと向き合う時間や、より良い医療・ケアにつなげていくことを大切にしています。
「地域住民の日常を支え、非日常に備える」。
入力や情報確認にかかる負担が軽くなれば、職員は患者さんとの対話やケアに、より多くの時間を使うことができます。また、場所や端末に過度に縛られない診療基盤は、院内にとどまらず、訪問診療や離島診療、地域の医療・介護機関との連携を支える土台にもなります。
光輝病院は、今後も新しい技術を地域の実情に合わせて丁寧に取り入れ、デジタル化によって生まれる時間と可能性を、患者さんと地域へ還元してまいります。
瀬戸内海を望む山の中腹に位置する光輝病院。この立地を衛星通信の受信環境に生かしています。
医師用端末の一部にMacを採用。業務内容に応じて、病院が管理する端末を使い分けられる環境を整えました。
上空の見通しを確保しやすい立地を生かして設置したStarlinkアンテナ。電子カルテへの接続を支える通信手段として活用しています。
病院DXの目的は、患者さんと向き合う時間を守り、医療とケアの質へ還元することです。